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2012年06月24日

俳句エッセイI

                     「蕪村公園、知ってる?」
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                                                   毛馬 一三
(蕪村顕彰俳句大学事務局)


与謝蕪村は、松尾芭蕉、小林一茶と並ぶ江戸俳諧を代表する俳人だが、その蕪村の生誕地がどこかということになると、あまりご存じない人が多い。

蕪村は、紛れも無く大阪市都島区の毛馬橋東詰(摂津東成郡毛馬村)の辺りで生誕している。それを顕彰する「蕪村記念碑」が、淀川毛馬閘門側の堤防に立っている。かの有名な蕪村の代表作・「春風や堤長うして家遠し」の句も、この記念碑の中に刻んである。

この他の顕彰物は、毛馬閘門の敷地の内に「記念碑」があり、そこからから流れる大川(旧淀川)を南へ500mほど下がった所のコンクリート橋で、蕪村直筆文字で橋名を刻んだ「春風橋」だ。ところが、かの有名な蕪村でありながら、生誕地を顕彰する蕪村のメモリアルは、大阪にはこの3件にすぎない。

これには蕪村自身の生き方にも関わりがありそうだ。蕪村は、享保元年(1716)に毛馬村の裕福な農家で生まれたが、幼くして両親と家を失ない、艱難辛苦重ね、18歳〜20歳の頃、毛馬村を出奔して江戸に出た。

途中京都で知り合った早野巴人と江戸に行き、弟子となった。運命の出会いだったのだ。巴人師匠から俳諧を学び出したが、26歳の時師が没した。芭蕉への思いの強い蕪村は、芭蕉の跡を慕って奧羽地方を放浪。宝暦元年(1751)京に移って俳諧に励む一方、南宋画家にも取り組み、池大雅と並ぶ名声を得ている。

京で68歳の生涯を閉じたが、終生故郷の毛馬村には帰っていない。しかし生誕地毛馬村の郷愁は人一倍強く、この毛馬村の情景を詠った「春風馬堤曲」という作品がある。これは生まれ故郷を懐かしく想いながら、この地で遊んだこと想いながら綴ったものだと、弟子への手紙に記している。

このように大阪とは縁の遠かった蕪村だったから、いまだに大阪には蕪村に関する伝承の文献も殆ど無ければ、生誕地に関する資料すら皆無だ。これが長い間、大阪で蕪村を顕彰する「資料館」さえ作られなかった理由だった。

しかし、10年頃前から都島区内を中心に、地元俳聖蕪村を大々的な顕彰しようという関係者の運動が活発になりだした。筆者も足並みを揃えて大阪市の助役やゆとりとみどり振興局長らに直訴した。

こうした動きに押され、大阪市が18年度から2年計画で、前述の「記念碑」と「春風橋」の中間にある市有地1.1hrの土地に、約2億5千万円をかけて「蕪村公園」を整備しだした。

同「蕪村公園」は、当初、蕪村の俳句や絵を紹介する「東屋」を建てるほか、公園内には大きな広場、その周辺には蕪村の俳句や絵に因んだ花木の植栽をする計画を立てた。そして大阪が輩出した蕪村に親しみ、また俳句愛好家が集まり「俳句」を開ける場所にする計画だった。

しかし、公園のシンボルとなる「東屋」は、残念なことに管理運営上難しいとの判断から、建設は見送られた。

同公園は、全国的に知られた大阪桜の名所・「毛馬桜の宮公園」の北端に位置し、市の中心地中之島に通じる大川沿いの桜回廊の出発点に位置する。また学生レガッタ練習や「花見遊覧船」の折り返し地点となる国の重要文化財の「毛馬閘門」の側にある。

いまは公園の植栽も充実しだし、整備もしっかり進められて「桜回廊」と同じ華やかさを見せており、顕彰される蕪村本人もご満足ではないだろうか。

またNPO法人近畿フォーラム21主催の市民講座「蕪村顕彰俳句大学」が受講生の優秀作品碑を既に4基(2012現在)立て、さらに同碑周辺に「蕪村句」に登場する樹木を多数植栽し、大阪市に寄贈している。協賛には感動だ。

是非、この「蕪村公園」をご覧になるようお勧めしたい。
                                  


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