2012年04月28日

感動した「句会」の出来栄え

                NPO法人近畿フォーラム主催
                   蕪村顕彰俳句大学 事務局
 

 4月25日(水)に5期4月を締めくくる「山尾玉藻教室」の句会が開講しました。5期最初の「句会」でしたが、初心者の受講生が8人も参加し、事務局としては初心者受講生の対応に気を遣いましたが、「俳句つくり」に興味と情熱のある方ばかりでしたので、予想以上にスムーズに進み、これから大きな期待を持てる「句会」になりそうだと感動しました。
 「句会」を終えた山尾玉藻講師に「句会の感想」と、「選句の秀句短評」を下記に綴って頂きました。


  第五期俳句大学の第一回山尾講座は八名の新受講生を迎え快い緊張感の内に始まりました。講師席から拝見すると少し引き締まった面持ちの新受講生に比べ、これまで四期二年間の講座を受講された方々にはゆとりの笑顔が見られました。
  実際、本講座に参加されるまで俳句に全く関わりなかった方々の作品の上達ぶりには眼を瞠るものがあり、佳い作品に出会うたびに喜びが湧きます。大袈裟なことを言うようですが、講師冥利に尽きる思いです。 
 現に今日も思わず膝を打つような素晴らしい句に出会えました。
 さあ、私も愈々楽しく充実した講座となるよう頑張りましょう。             (山尾玉藻)


 「第5期山尾玉藻講座 初会選句」の秀句短評

   月明に縺れてゐたる蜷の道        河ア 尚子
<川や入江に生息する蜷が水底を這って出来た跡を「蜷の道」と呼ぶ。月明の中でひょろひょろと頼り無げにのびるその様子を、独自の視点で「月明に縺れてゐたる」と捉えた。客観写生に作者のこころが優しく寄り添う佳句と言える。>
  野遊のときどき水に手を浸し        山田 美恵子
<摘草をしたり寝ころんで雲を眺めたり、お弁当を食べたり、「野遊」にはゆったりとした時が流れる。「ときどき水に手を浸し」から辺りに池や小流れがあることが窺え、時たま水辺へ行き温んできた水を掬ったり手を洗ったり、いかにものどかな景である。>
  野遊の昔の風と寝ころべる         増田 忠勝
<作者は誘われて久し振りに野遊に来たのかも知れない。のびやかな気分で野に寝転がっていたが、香しい草の香を運ぶ風に不意に幼い頃が蘇ったのだ。「昔の風と寝ころべる」には作者の素直な感動があり、読み手にそれが快く伝わる。>
  野遊の途中大きなダンスの輪        松井 倫子
<野原を歩みつつ摘草を楽しんでいたのだろう。暫く行くと愉しげにフォークダンスをする人たちに出会ったのだ。「途中」の繋ぎ的表現がワンクッションの働きをして、作者の明るいこころの弾みを上手く伝えている。>
                                                     以上。


 さて、5月10日からいよいよ5月講座の開講です。
五七五の中に織り込む「日本語の秀逸さ」を学び、想いを馳せた「俳句つくり」に挑戦しましょう。
最後になりましたが、第5期5月講座の日程をご紹介いたします。

        ・5月10日(木) 13時〜16時 講師 立村 霜衣俳句会「河内野」副主宰 
        ・5月14日(月) 13時〜16時 講師 朝妻 力俳句会「雲の峰」主宰    
        ・5月23日(水) 13時〜16時 講師 山尾玉藻俳句会「火星」主宰     
        ・5月26日(土) 10時〜12時 講師 戸栗末廣「火星」主要同人      
第5期講座案内はコチラ
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2012年04月16日

第5期立村・浅川教室 ご報告

 NPO法人近畿フォーラム主催
                   蕪村顕彰俳句大学 事務局
 

  第5期講座2回目の「立村教室」 開講   

 第5期一般の部の「句会・立村霜衣教室」が、4月12日(木)開講しました。講師立村霜衣氏(河内野副主宰)の挨拶、参加者の自己紹介もそこそこに、花咲き誇る大川端へ「吟行」に出かけました。蒼天に傷一つない、まさに花見日和の大川は、花見船が行き交い花人に溢れていました。吟行後は、講座会場の追手門学院大阪城スクエアーに戻り、即吟、当季雑詠も含め「句会」が行われました。
互選句の披講につづいて、立村講師の選及び講評があり、充実した第1回の「立村霜衣教室」となりました。                            (堀江信彦・「河内野主要同人」記)
「選者句」及び「特選句」は下記の通りです。

◆選者(立村霜衣講師) 吟
  風蹴立てゆく大川の花見船        橋渡り切らずに花の雲の上
  落下して落下して又風来る         水音に吸ひ込まれ花屑となる
  たい焼の小さく見ゆる春の昼

◆立村霜衣講師の「特選句」
 大川に船を浮かべて花の帯    中村芳子    凧糸にびんびんと風伝へをり   梶田高清
 散りかかる花いく度も舞ひ上がる 井上富士江   退院の兄を迎えて桜見に     松口フミ 
 みなパンフ翳し遊覧花日和     吉村絹子    子の跳べて両岸汚す芹の水    梶田高清
 満開の桜に惑ひし真昼かな    山口廣世     チューリップ閉ぢて門灯灯しけり 梶田高清
 雀の子隠し曲輪に育まれ     山口廣世   川風に水尾けたたまし花見船  井上富士江
 花見なれ人の騒めき醤油の香   堀江信彦
 白光の桜よ美しき言葉欲る     井上富士江

※ 次回5月10日(木)開講の兼題は 「若葉 常磐木落葉 及び当季雑詠」です。


  第5期「小中高国語担当教諭講座」開講

 4月14日(土)に浅川正担当による第5期講座の第1回目の「小中高国語担当教諭講座」が開講しました。
今期受講生は6名と少な目でしたが、春休みの諸行事と重なって、当日出席されたのは高校教諭の2名に止まりました。
 受講者名簿の作成が遅れたこともあって、私から事前に準備するべき事項が通知できず、やむなく今回は、「即吟句会」を楽しむ事にしました。
「即吟句会」は、受講のお2人に加えて、蕪村顕彰俳句大学事務局の一寛さん、句会スタッフの年江さんと、講師を加えた計5名が参加。
会場から間近に見える大阪城は折しも春爛漫。全員が窓辺に寄って席題を出し合いました。
                                    (「雲の峰」主要同人・浅川正 記)
◆恵子(市立都島工業高校)出題「五月」
  校庭に子の声高き五月かな   忠        大人びて見ゆる子の顔風五月   一寛
  新しき席や五月の空見えて    恵子        糠雨に物みな伸ぶる聖五月     年江
  学校に七つの不思議風五月    正

◆忠(市立南高校)出題「花嫁」
  芽柳の下を花嫁歩みをり     年江       かすみ草花嫁の手に揺らぎけり   恵子
  レース着て花嫁が行く鐘の中   忠       オープンカーが花嫁を待つ花の下  一寛
  ジョギングの道に花嫁風光る   正

◆年江(句会スタッフ)出題「花曇」
  制服の馴染むこの頃花曇   恵子         外周を駆けゆく球児花曇      年江
  外周をジョガーが歩く花曇   一寛         花曇半ばは読めぬ生徒の名    正

※ これからの同上講座日程とご担当講師は、下記の通りです。
   ・次回は5月26日(土)午前10時から開講。講師は戸栗末廣氏(「火星」主要同人
   ・6月30日(土)午前10時からの3回目講座は、浅川正講師が担当
   ・7月27日(金)は午後18時30分から開講、講師は三村純也大阪芸大文学部教授
   ・5回目講座は8月25日(土)午前10時から開講、講師は藤田真一関大文学部教授



<お知らせ>
4月の締めくくり講座は、「一般の部・山尾玉藻教室」で、4月25日(水)午後1時から開講です。
兼題は「蜷(にな)、野遊び、当季雑詠」―3句です。

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2012年04月12日

第5期講座 始まる

NPO法人近畿フォーラム主催
                   蕪村顕彰俳句大学 事務局
 

 いよいよ第5期講座も、3年目を迎えました。この講座事業にご協力を頂いいております各講師をはじめ、受講生、選考委員の方々、後援団体等に心から感謝申し上げますと共に、ここに至るまで達成できとことに深い感動を覚えます。
 さて、4月9日(月)から第5期初回の「朝妻力教室」が始まりました。第5期の4月は、12日(木)の「立村霜衣教室(句会)」、14日(土)には「小中高国語担当教諭講座」、25日(水)は「山尾玉藻教室(句会)」が開講致します。

 ところで、初回開講の「朝妻教室」は、「蕪村を知り、蕪村の世界を覗く」という題目で、「蕪村の作品を鑑賞し、俳句とは何かを知る」の講演が行われました。
 この中で最も括目させられたのは、それまで無名に等しかった「俳人蕪村」を俳句界に掘り起こした「正岡子規の俳諧大要よりの緒言」の原文を、朝妻講師が紹介し、それをもとに「蕪村俳句」の素晴らしさを説いて頂いたことでした。
 良い機会ですので、その正岡子規の「緒言」を原文のまま掲載します。判読に労を要しますが、是非ご拝読ください。

 ◆俳人蕪村  獺祭書屋主人 (俳諧大要より)
 <緒言>
 芭蕉新に俳句界を開きしよりこゝに二百年、其間出づる所の俳人少なからず。或は芭蕉を祖述し或は檀林を主張し或は別に門戸を開く。然れども其芭蕉を尊崇するに至りては衆口一齊に出づるが如く、檀林等流派を異にする者も猶芭蕉を排斥せず、却つて芭蕉の句を取りて自家俳句集中に加ふるを見る。是に於てか芭蕉は無比無類の俳人として認められ復た一人の之に匹敵する者あるを見ざるの有樣なりき。芭蕉は實に敵手なきか。曰く否。
 
 芭蕉が創造の功は俳諧史上特筆すべき者たること論を竢たず。此點に於て何人か能く之に凌駕せん。芭蕉の俳句は變化多き處に於て、雄渾なる處に於て、高雅なる處に於て、俳句界中第一流の人たるを得。此俳句は其創業の力より得たる名譽を加へて無上の賞賛を博したれども、余より見れば其賞賛は俳句の價値に對して過分の賞賛たるを認めざるを得ず。…略…
 百年間空しく瓦礫と共に埋められて光彩を放つを得ざりし者を蕪村とす。蕪村の俳句は芭蕉に匹敵すべく、或は之に凌駕する處ありて、却つて名譽を得ざりしものは主として其句の平民的ならざりしと蕪村以後の俳人の盡く無學無識なるとに因れり。著作の價値に對する相當の報酬なきは蕪村のために悲むべきに似たりといへども、無學無識の徒に知られざりしは寧ろ蕪村の喜びし所なるべきか。…略…
 
 蕪村の名は一般に知られざりしに非ず、されど一般に知られたるは俳人としての蕪村に非ず、畫家としての蕪村なり。…略…
ある時小集の席上にて鳴雪氏いふ、蕪村集を得來りし者には賞を與へんと。是れ固と一場の戲言なりとはいへども、此戲言は之を欲するの念切なるより出でし者にして其裏面には強ちに戲言ならざる者ありき。
果して此戲言は同氏をして蕪村句集を得せしめ、余等亦之を借り覽て大に發明する所ありたり。死馬の骨を五百金に買ひたる喩も思ひ出されてをかしかりき。

(◆死馬の骨の意味―優れた者が集まって来るという例え)


 最後になりましたが、これからの第5期「句会・講義」がますます盛会になっていくことに期待を寄せ、受講生の方々のご努力をお祈り致します。
 なお、第5期講座には、このホームページをご覧になった一般の方からご応募が目立ち、講座に参加して頂きました。有難う御座いました。どうかこれからも同ホームページをご覧になって「俳句つくりの楽しさ」に挑戦して頂きますよう心からお願い致します。

posted by 蕪村顕彰俳句大学事務局 at 11:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ご挨拶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする